みんなの冷蔵庫(仮)2
「あなたの力で、ここから出ますか?」


ナメクジの声はまるでゆっくり鼓膜の波を泳ぎ、しばらくして頭に届いたみたいに、理解するのに時間がかかった。


「えっ……でも私…」


できない、と答えようとして、「出す」練習は全くしてないことに気付く。


「あなたからはユーミアの力がより強く感じられますが、サーの力も僅かながら持ち合わせているようです」


ユーミアとサー


さっきのシオくんが言っていた単語と同じ。

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