みんなの冷蔵庫(仮)2
下唇を噛む私を見て、野崎さんが何かを言いかけて、止めた。

そしていきなりソファーにどっかりと腰を下ろすと、明らかに話の流れを無視した行動に驚く佐田さんを見上げ、人差し指と親指を拳銃のように突き立てた。

「ねぇ、京極さんに私達のことは見つけたから大丈夫って連絡して。ちょっと話をしたいんだけど」

「今ですか?」

突然の提案に、佐田さんは眉を寄せる。


「そう今。三人で。すぐすむから」


佐田さんは困った顔を私にも向けた。
「どうなってるんですか?」
と、佐田さんの困惑した瞳が私に助けを求めてくる。
私も首を少し傾けて「分からない」というジェスチャーをして見せた。



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