みんなの冷蔵庫(仮)2
「何ですかそれ。確かに男はみんな若い女の子は好きですよ」


煙を吐き出す口元が少し上がっていて、笑っているようだった。

私は佐田さんが野崎さんに意識を向けてる隙に立ち直ろうと、必死でおいしかったアイスクリームの味とか、大学に合格した時の喜びとかを思い出そうとしていた。


「じゃ、例えばくららとか」


野崎さんの声が、湖に投げ込んだ石つぶてみたいに波紋を作った。



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