みんなの冷蔵庫(仮)2
びっくりして息を飲みかけて、そんな場合じゃないと奮い立ち、テーブルに両手を着いて身を乗り出した。


「ちょっ! やめてよ!」


店内全体に聞こえるんじゃないかってくらい大声で叫び、ゆっくり佐田さんの方を見た。

見てすぐ、見なきゃよかったと思った。

数秒間店内は静まり返り、客の視線が一気に注がれたけど、すぐにまた元に戻った。

私達のテーブル以外は。


さすがの佐田さんも
今まで鈍くて鈍くて一人だけ気付いていなかった佐田さんも

とうとう私の気持ちに気付いてしまったみたいだった。


< 56 / 354 >

この作品をシェア

pagetop