みんなの冷蔵庫(仮)2
「約束?」


何の事かよく意味が分からず、斜め後ろに立つ佐田を振り返る。


「メイドの雇用契約書に『屋敷の中で見聞きした事は一切他言しない』という規約があるんです」


佐田がそう言うと、野崎ちよみは大袈裟な程大きなため息をついた。


「ちょっと話しただけじゃん」


そう言って足を組み、その上に肘を乗せ頬杖をつく。

そんな規約があった事は知らなかった。

とにかく、なぜこの女はこんなに態度がでかいんだろう。

自分がしたことと、今置かれている立場をちゃんと理解できているんだろうか。



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