届け、この想い。
総合病院は今までに来たことがなかったから
道が分からない。
まあ、勘を頼りに行くしかないか。
マップなんかあるわけないしね。
私はメールの文を打ちながら
長い廊下を歩いた。
スマホに夢中のまま
私は歩き続けた。
「大丈夫そうだよっと…、ひゃあっ!」
どんっ
ゴトンと音を立てて落ちるスマホ。
私は思わずしりもちをついていた。
いてて…
…やばい!
誰かにぶつかっちゃった!!
私はそっと上を見上げた。
そこには
背が少し高くて細めで
髪の毛がさらさらで
色白の男の人が立っていた。
小さい顔に綺麗に並んだパーツ。
目は一重なのに少し大きめで
鼻は筋が綺麗に通っている。
薄目の唇は少し青紫色をしていた。
うわあ…美少年。
その男の人は
私に手をさしのべていた。
私がその手をそっと掴むと
その人は優しく起こしてくれた。