届け、この想い。




「あ…すみませんっ。」





私はパッと手を離した。


こんな美少年に触れるなんて

しかもぶつかっちゃったし…




神様仏様…ごめんなさいっ!





「あ…じゃあ、私は…」






「ちょっと待って。」



へ?
呼び止められてる?

私は足を止めた。



スタスタと近づく足音。


私が振り替えると


「これ。」




そう言ってスマホを渡してくれた。



うわっ、私ったら!




「あ、ありがとうございますっ!」




私はペコペコとお辞儀をした。




「名前は?」




え?今私の名前聞いた?




「…私?」




「…他に誰がいるの?」


その人はははっと笑う。

笑ったら目がふにゃってなるんだ…。




「私は如月優子です。…あなたは?」




「俺は永瀬哉汰。哉汰でいいから。」




哉汰(かなた)。
素敵な名前…。




「優子って、良い名前だね。」



へっ?!

そ、そんなことないです
と私は頭の中で反論する。

しかも丁度同じようなこと考えてたし…。






「優って呼んでいい?」






優…っ?
呼ばれたことないけど

君に言われた“優”は

なんだかとても素敵に聞こえた。




「もちろんです…っ!」


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