【流れ修正しつつ更新】流れる華は雪のごとく

強い。

彼らは、強い。


「皆さん…」


呟いたのは海松だった。

自分よりも遥かに不安だったはずだと露李は静かに彼女を見た。

傷ついて、皆が傷ついている。

目を戻した瞬間。


「死にたいなら、死ね」


水無月の笑みが深くなる。

秋雨が飛ばした呪の鎖が、結に巻き付いていた。


「んだよこれふざけんな!」


「勝負っていうのはね、勝てればいいんだよ」


「結さんっ!」


海松が叫んだ瞬間──水無月の手が降り下ろされた。

スローモーションのように迫ってくる断頭台。

結は術を唱え始めた。 

この魂が身体から抜け落ちたとき、花霞の所へ行くように。


なぁ露李。

やっぱり俺は────。






「出でよ、雹雷鬼!」




銀色の閃光が、その場に眩しく溢れた。










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