【流れ修正しつつ更新】流れる華は雪のごとく


「対だなんておかしいです。私に双子はいません」


真剣な眼差しに動揺しながらも、努めて冷静に答える。


「やだなあ、そういうことじゃないんだよ、露李ちゃん。俺が言ってるのは魂の話だよ」

たましい。魂。

一瞬理解できなかった。

何の話だと水無月を見据える。

魂が対になっているなんて聞いたことがない。


「君の力が何故こんなにも弱々しいのか、考えたことないの?」

「あるに決まってるじゃないですか!」


流されるなと強く思っているのに反発してしまう。


「俺がさ、吸い取ったからだよ」


「吸い、取った…?」

その場にいる者の目が大きく見開かれる。

力を吸い取る、そんなことができるのかと。


「その剣術を誰に習ったか、露李ちゃんは覚えてないの?」

「これは…里で会った、氷紀兄様に…」


ひのりにぃさまー、と泣いていた露李を思い出しながら、水無月は笑った。


「まさか、貴方…」


「やっと思い出してくれたかな?」



****

『うっ…うぅ…』


『君、どうしたの?大丈夫?』


『手が、痛いの』

少年は少女の手首を見た。

生々しい赤いアザがくっきりとついている。


『これ…』

絶句するような同じアザが足首や首にもあった。


『私の金の目が怖いから、私の銀の髪が怖いから。皆が捕まえに来るの』

少年は顔をしかめた。


『そうか、君は雑魚たちにいじめられてるんだね。かわいそうに』


『雑魚?』 


『君を、楽にしてあげる───』


少年の手が少女にかざされた。

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