【流れ修正しつつ更新】流れる華は雪のごとく
「ちょっと。何で邪魔するのさ」
露李の横に並び、肩越しに振り返って威嚇する大人げない男が一人。
「邪魔するも何もダメに決まってんだろーが。露李、皆で寝るぞ」
「は!?」
結を除く守護者全員が声を揃える。
「だからさあ。何で露李と俺が君たちと一緒に寝なきゃならないわけ?」
「…水無月、露李の前だからって口調変えなくても」
「やかましいぞ大地」
「…そう。悪かったよ」
文月は肩をすくめてそのまま歩みを進めた。
それをドヤ顔で見やってから露李に向き直る。
「露李も嫌だよねー」
「皆と一緒なの?良いの本当に?」
「わぁ乗り気」
今度こそ水無月の顔が固まった。
「人と寝るなんて久しぶり」
「お、おお。そうかよ」
若干引き気味な結が気になるが、露李は嬉しそうに喋り続ける。
そんな中、不埒な発想を口に出す男も一人。
「露李、聞きようによってはすげぇビッチに思われっぞ」
「そう思うのは理津、お前だけだ」
疾風が真顔で理津の頭に拳を落とした。
「ってえな!!だってそうだろ、いつもは妖怪と──」
頭を押さえながら言い訳にならない言い訳を並べ立てる理津の所に、静が不思議そうにやって来た。
「あの、皆さんさっきから何の話を?」
「あー…」
邪の一切入らない静に、疾風が黙りこむ。
理津は天使でも見たかのような顔で静を見つめる。
「そうか…可愛いやつだなお前。何だ、ピュアだな」
え?と見返す静の頭を理津はグシャグシャと撫でた。
「レアボーイだな」
「新しい言葉を作るなっ」
ドゴッとまた鈍い音。
「わぁ、野蛮だねえ。露李、二人で逃げよ」
「逃げよ、じゃねー!お前が一番野蛮だったろうが!」
「同感だよ」
「ああ、うるさい妖怪どもだ。仕方ない、成敗してやろう」
「今日は皆元気だね」
わいわいと言いながら歩く一行。
もうどれくらい経ったのか、先頭の結が足を止めた。