【流れ修正しつつ更新】流れる華は雪のごとく
「あいつは冷酷紳士ってな感じじゃねぇ?」
「あ、良いね理津。賛成」
段々、評価が酷くなってるんだけど。
反応しづらいため露李はスルー。
表に出さないだけで相当、煮えくり返っているらしい。
しかし初対面の水無月や露李から見ても、未琴の話が出た瞬間から彼は様子がおかしかった。
「ねぇ氷紀」
「ん?」
「お母様って、秀水さんとそんな仲良かったのかな」
ふと思い付いて尋ねたが、水無月は困ったように笑った。
「そうだね…俺もババアのことはなるべく関与しないようにしてたからよくは知らないけど、向こうは当主だし、面識くらいはあったんじゃないか?」
そっか、ごめん、と最愛が謝るのを首を横に振って遮る。
「でもさ。露李も風花姫になってから他の守護家の人とは関わり無かったんなら、ほとんどは浅い関係なんじゃないかな」
良いことではないが。
「そうだよね…」
悩む露李の頭にポフポフと手を置いて、思案する。
何かしらの接点がなければあんな反応はしないだろうけどね。
露李のためなら未琴関連であっても有能であろうと誓う水無月だった。
「あのさ、疾風」
「何だ」
「先代の、守護者の方は…」
ものすごく聞きにくいことだったのだが、疾風はいともあっさりと答えた。
「死んだ」
結局、皆揃って読みだした結の漫画から少し目を上げて、ふっと微笑む。
あっけらかんとし過ぎていて困ってしまう。
「俺と静、結先輩の父さんと文月と理津の母さんが先代だ。言わなかったか?」
言ってない。
「初耳」
「そうか。じゃあ、今言った」
「テキトーな…」
「仕方ないだろ、そんな話したことも無いし」
それはそうか、と頷くもやはり首を捻る。
未琴と守護者の間に何かがあったのか。