【流れ修正しつつ更新】流れる華は雪のごとく
「足元気を付けてね」
「ね、ねえ氷紀どこに」
水無月の後についていきながら尋ねた。
目はきくので良いにしろ、ただ夜の帳が下りた闇の中を進んで行くだけだ。
瓦礫は水無月が転ばないように歩かせてくれるために心配は要らないのだが。
「それは多分行ってからの方が理解はしやすいと思うんだけど…まあいいか。露李、目を閉じて。気を研ぎ澄まして」
歩きながら言われるままに目を閉じる。
もうある程度気は操れるようになった。
自分の中にある銀の光に集中し、呼び覚ましたところで、何か違和感を感じた。
「あれ…?」
気が、多いのだ。
頭の中に沢山の人の思索が入り込んでくる。
気や思索の数だけ人がいるはずだ。
だが、人の姿は見えない。
「分かった?」
「うん。これって!」
「そう。この辺にいっぱい、人がいる。何か…あのババアが術を施したんだ。本当に、死んでも最後まで解けないとか迷惑もいい加減にして欲しいな」
「皆さん、生きてるの!?」
「恐らくは。一ヶ所に閉じ込められてるんだと思う。術の拠点が見つかれば良いけど…露李、できる?」
「できる、ううん。やる!」
「よし、急ごう」
自分の最大限を。
そう誓い、急いで歩を進めた。