【流れ修正しつつ更新】流れる華は雪のごとく

「総会を続けます」


元の場所につき、また周りを見渡す。


「…露李。落ち着いて」


水無月が小声で露李に囁いた。

露李の身体が金銀の光に覆われている。

感情の昂りを収まりきれず、気が放出されてしまっていた。

あまりにも神聖な空気に当主以下守護家の者は身体を強ばらせる。


「別に…悲しいだけよ」


前を向いたまま答える。

当主たちが一斉に頭を下げた。


「申し訳ありません、姫様!!」


ただならぬ気配を悟り、冷や汗を滲ませている。

結たち守護者たちは未だ言葉を発せないでいた。

思わぬところで痛い場所を突かれた形だった。

このタイミングで、この人たちに何かを言われるのは想定していなかった。


結は自分達と同様に唇を噛み締めている露李を盗み見た。

それは甘えだったのだと、彼女の表情を見て思う。

いつだって油断はしてはならない、そんな当然の事の大切さを思い知らされる。


「私の非は認めます。しかし、先程の自らの頭領を貶める発言には少し失望しました。これは守護家の信頼に関わります。…ですが、これもまた私の責任。全ての責任は風花姫である私にあります」 


「度重なるご無礼、どうかお許しくださいませ!!」


詩衣が必死に頭を下げる様を、結は空洞のような目で見つめていた──。


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