【流れ修正しつつ更新】流れる華は雪のごとく
***

「露李、お疲れ」


部屋を出て、やっと七人で集まると、水無月がそう言って露李の頭を撫でる。

どん底まで沈んだ空気の中、総会を終えた。

有明についてを伝えたが、鬼の旧家についての話は伏せられた。

何を言っても仕方ないし、軋轢も酷くなるかもしれない。

これが静の力で話し合って決断したことだった。

だが、時が来れば明かさねばならない。

それだけは心に留めておこう、そう皆で締め括ったのだった。


「ごめんな、露李」


ぽつりと結が露李に頭を下げた。


「…すまない」


「ごめん、露李ちゃん」


「悪かった…」


「露李先輩、本当に…申し訳ありませんでした」


驚いて思わず後ずさる。


「守護者だってのに、情けねー」


「何やってんですか!やめてよ何!?」


気持ち悪い!と大袈裟にも身を震わせてみせる露李に皆、困ったように笑う。

その雰囲気に耐え兼ねて、また口を開いた。


「良いんですよ別に。イラッとしただけで、私がムカついたから怒っただけで別に本当、謝られるようなことじゃないです」


誰も何も言わないからか、焦った露李の口は止まらない。


「本当に、他所様のことどうこう言うのもどうかと思うけどあの貧弱な男、気に入らなかったんです!バレバレだってのよ何羨ましがってんの、バカじゃないの!」


ひいっ、誰か何か言ってー!!と思いつつも口から言葉が流れ出る。


「ていうか花霞みたいなのあったらそりゃ襲撃も来るわよ、だから最大限の警備をしてるでしょ!それとも何、予知しろと?」


「…露李」


「氷紀兄様に脅されて怯えちゃって、残念!あぁ残念!ざまぁ見さらせバーカ!!」


そこまで言い切ってから、露李除く一同が唖然としているのに気づいた。

水無月がまた


「…うん、露李。可愛いよ」


「いやお前タイミングおかしいだろ」


理津はしっかり突っ込むのを忘れない。

が、やはりぽかんとしていた。


視線に気づいた露李がすうっと青ざめていくのを見て、結が口許を緩ませる。


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