【流れ修正しつつ更新】流れる華は雪のごとく

「氷紀。何の言い合いしてたの?」


露李がすぐさま尋ねると、水無月は嬉しそうに彼女の頭を撫でる。


「大したことじゃないよ。こいつらが露李の役に立ちたくて、でも俺が邪魔しちゃったから拗ねてるんだ」


「てめぇ…好き勝手言いやがって」


「違うのか」


違うだなんて言わせない、という水無月の睨みに理津が呆れ顔になった。


「お前、っとにこいつのことになると頭悪くなるよな」


「馬鹿に馬鹿と言われるのは賢い証拠だ」


「あ?てめぇふざけてんじゃねぇぞ誰が馬鹿だよ誰が」


「おい、その辺にしとけよ理津」


今度は疾風が理津をいさめ、てんで訳が分からない露李は静がまぁまぁと抑えている。


「何なの、何でこんな今日殺伐としてるの…?」


「露李先輩は気にしなくて大丈夫ですよ」


「静くんがそう言うなら、まぁ」


「…知恩。貴様、詐欺師だったのか」


「へ!?違います違います!」


じりじりと迫り来る水無月に狼狽える静。

露李が間に入ると、すぐにとろけるような笑顔になる。


「露李。どうしたの?」


いや、どうしたのって、と露李と水無月を除く面々が内心で突っ込む。


「落ち着こう、氷紀。何かよく分かんないけど。ほら、ここ。神様の御前だから」


「そういうとこは巫女なんだなー…」


結が後ろから呟いた。


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