【流れ修正しつつ更新】流れる華は雪のごとく
「そういうとことは何ですか!?巫女っぽくなくて悪かったですねっ」
「あーあーはいはい。露李ちゃんも突っかからない、結も一言多いよ」
文月がまた呆れ顔で諌めるも、むすっとした顔の露李。
むすっとした露李に慌てる結。
始終騒がしい集団に喝が入った。
「皆さん!朝早くから何ですか!」
珍しく目を少し吊り上げた海松だ。
文月を除いた守護者たちが目に見えて戦く。
滑ることなく雪を踏みしめてこちらへ歩いてくる。
大声を出していないのに醸し出される迫力。
「おはよう海松ちゃん。今日も寒いね」
サクサクという雪の音がピタリと止む。
「お前、何で今それを言うんだ…」
脱力した疾風の声がやけに大きく聞こえ、露李が疑問に思ったところで、海松がにっこりと笑いかける。
「はい、おはようございます。露李様」
「嘘っ!?」
結が叫んだ方を笑みを消した彼女が見やり、また沈黙。
「寒くはありませんか?こちらの朝は寒いでしょう」
「ううん全然。ていうかまた様付けだよ、いらないそれ」
「申し訳ございません…」
「いや、そんな落ち込まなくても」
露李には怒らないのか、とほっと安心するも、皆の不満がむくむく。
「何で露李だけ特別なんだよー!」
「露李様は特別だからです!」
「答えになっていないぞ海松」
「疾風さん。いつからそんなにお口が悪くおなりに」
「すまん」
「理津さんも馬鹿笑いはお止めください。良いですか?」
「…分かった」
「文月さん…静くんは、まあ良いです」
今度は叱られた組がむすっとそっぽを向く。
「神社の風格が落ちるようなことは以後なさらないよう。お掃除はあらかた終わったようですから、御前に行きますよ」
有無を言わせぬ海松の指示に、皆一斉にこくこくと頷くのだった。