【流れ修正しつつ更新】流れる華は雪のごとく
ささやかな喜びを
********************
離れに有明の元手下たちが住み始めて少し。
水無月は寒空の下、イライラと爪先で雪を弄っていた。
ガシガシ音を怪しく思ったのか、文月が裏口からひょいと顔を出す。
「ねえ、何?その音。俺たち中で閉心術やってるから静かにしてくれない?」
確かにそれは迷惑だな、と頭の片隅で思うも水無月にとっては些細なことでしかない。
何と言っても。
「露李が戻って来ないんだよ!!もう五分もあそこにいるぞ!貴様、露李が心配ではないのか!」
恐ろしい眼光で睨みつけるが、文月はため息をつくだけだった。
むしろ整った顔に悩ましげな吐息で色気が増したくらいだ。
「五分でしょ…?そんなに心配なら一緒に入れば良かったじゃん」
「露李が!この俺に願ったのだ、『大丈夫だからここにいて』とな!」
「何を自慢げに言ってるのか知らないけどさぁ。露李ちゃんお前の面倒さに気がつき出したね」
呆れるよ、と呟いてみるが耳に入っていないようだ。
「ああもう煩いな。ここじゃ駄目だから、行くよ」
「どこへ行くというのだ」
「離れ。決まってんでしょ」
「露李の言付けはどうなる!」
「俺も一緒に行くから良いでしょ多分」
適当にも程があるが、水無月は途端に目を輝かせる。
「感謝する」
バカだなあ、と内心呆れつつも、文月は前よりも心を開いた水無月を嬉しく思うのだった。
離れに有明の元手下たちが住み始めて少し。
水無月は寒空の下、イライラと爪先で雪を弄っていた。
ガシガシ音を怪しく思ったのか、文月が裏口からひょいと顔を出す。
「ねえ、何?その音。俺たち中で閉心術やってるから静かにしてくれない?」
確かにそれは迷惑だな、と頭の片隅で思うも水無月にとっては些細なことでしかない。
何と言っても。
「露李が戻って来ないんだよ!!もう五分もあそこにいるぞ!貴様、露李が心配ではないのか!」
恐ろしい眼光で睨みつけるが、文月はため息をつくだけだった。
むしろ整った顔に悩ましげな吐息で色気が増したくらいだ。
「五分でしょ…?そんなに心配なら一緒に入れば良かったじゃん」
「露李が!この俺に願ったのだ、『大丈夫だからここにいて』とな!」
「何を自慢げに言ってるのか知らないけどさぁ。露李ちゃんお前の面倒さに気がつき出したね」
呆れるよ、と呟いてみるが耳に入っていないようだ。
「ああもう煩いな。ここじゃ駄目だから、行くよ」
「どこへ行くというのだ」
「離れ。決まってんでしょ」
「露李の言付けはどうなる!」
「俺も一緒に行くから良いでしょ多分」
適当にも程があるが、水無月は途端に目を輝かせる。
「感謝する」
バカだなあ、と内心呆れつつも、文月は前よりも心を開いた水無月を嬉しく思うのだった。