【流れ修正しつつ更新】流れる華は雪のごとく
夕暮れの、橙色の光が差し込んでくる。
それはさながら結界を破るように辺りを照らした。
大きな地響きと巨大なガラスが割れるような音がし、そして。
“彼女”が入ってきた。
「少しぶりですね、朱音様」
「そうですわね。──もう一度、お聞きしますわ」
朱音は優雅に笑って、目だけを露李に向けた。
「世界、そして人間を滅ぼすことを、納得していただけましたかしら」
ゆっくりと露李も笑みを浮かべる。
「いいえ。やっぱり私は、どんな命でも殺すことには納得できません」
「あら、刺し殺したり汚いことは致しませんのに」
「…その血を汚いと言う、貴女には。何があっても、賛成できません」
ぴくりと朱音の眉が動く。
「ずいぶん大きな口ですのね。朱音、そういうの嫌いですの」
「結構です。私も好きと言えば嘘になりますから」
「貴女のお気持ちは変わりませんのね。……良いですわ。始めましょう」
朱音の笑顔がすっと消え、代わりに周りに大量の人形が創られた。
「貴女の自我が無くなるまで、戦いましょう」
“神”の声が厳かに響いた。