【流れ修正しつつ更新】流れる華は雪のごとく
「おかしい……」
どれくらい経っただろうか。
露李がその違和感を自覚したのは、とっぷりと日が暮れてからだった。
自分に向かってきた一体を斬り、周りを見回す。
「うおーー!!」
十人に囲まれても怯まずに進み続ける結。
「結!飛んで!」
木の根や氷柱を自在に造っては操り、倒していく文月。
「……邪魔だ」
淡々とした性格には似合わず強力な拳で戦う疾風。
「カッコつけてんじゃねぇよ疾風!」
次々と紫の光の球を飛ばしては敵の進路を阻む理津に、
「結界強化。疾風先輩、後ろです!」
「治癒!」
呪をめまぐるしい速さで唱え続ける静と海松。
「露李、どうした!?」
「これっ、変だよ!だってっ……」
向かってきた黒い気を放つ人形を切り捨てながら、叫んだ。
果たして、仮にも“神”がこんなにも邪悪な気を放つだろうか。
敵はもう殲滅されかかっている。
朱音の目的は何か。
それすらももう、分からなかった。