【流れ修正しつつ更新】流れる華は雪のごとく
はっと顔を上げ、弾かれたように振り向く。
───どうして。
今度こそ涙が溢れた。
その温かい笑みが、怒った顔が、全部。
私に向けられているの?
「勝手なこと、するなって言っただろー?」
そう言いつつ歩いてくる結の声も震えていた。
一歩ずつ、よろよろと彼等の方へ向かう。
「どうして……?」
「俺達が許すと思ったの?露李ちゃん」
黒い笑みを貼りつけた文月。
「最低だ。露李」
「疾風……」
「今日だけは疾風に同意しといてやる。ふざけんなよ露李てめぇ」
「理、津」
「やめてくださいよ本当に……」
「静くん……どうして」
崩れ落ちる静の髪にそっと触れる。
涙がただ、溢れた。