【流れ修正しつつ更新】流れる華は雪のごとく
「文月先輩はさっきジャンケンに負けたんだ」
「え、ジャンケン?」
全くもって理解できない。
生真面目な疾風のことだ、何か理由があるのは分かるがそれ以外は謎でしかない。
しかし頑なに言ってくれる気はないようで、また困り果てる。
「どうしたの、疾風。露李ちゃんを早く座らせてあげないと」
「疾風どうしたー?」
追うようにして結が尋ねながら、文月の左隣に座る。
「あークソ!」
痺れを切らしたのか理津が忌々しそうに文月を見た。
そして露李に身体を向けつつ、目は逸らしたままで口を開く。
「露李をどこに座らせるかジャンケンして、さっき俺と疾風の間になったんだよ!」
「……へえ」
分からないなりに返事をしてみるものの全くの棒読みになってしまう。
「さっき負けたのに自分の隣に座らせようとしやがんだよアイツ!」
「そうなんだ……」
拍子抜けした露李を今度は理津がじろりと見る。