【流れ修正しつつ更新】流れる華は雪のごとく
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広い庭園。鯉が泳ぐ風流な庭に、男が二人。


「それで?水無月、星月夜」


庭に置くにはおよそ似つかわしくない、大きな御簾の向こうから中性的な上に感情がこもらない、無機質な声が言った。


「それで、とは」


星月夜が膝まずいたまま訊ねた。

声の主は鼻で笑う。


「風花姫のことに決まっている。覚醒はまだか、と」


「覚醒するには程遠い状況かと存じますが」
 

「そうか。…覚醒する前に、お前達で片を付けるか?どうだ、星月夜」


星月夜が目に見えて固まる。

声の主に見えているかは分からないが。


「現在の状況で神影 露李を始末してしまうのは短絡的ではないでしょうか。覚醒してからの方が価値と影響力は破格に上がります。──それに俺は、あの子をどこかで」


「お前に発言を許可した覚えはないが、水無月。まぁいい──適度に遊べ」


水無月が見透かすように御簾を見つめた。


「仰せのままに」




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