【流れ修正しつつ更新】流れる華は雪のごとく
「申し訳ありません、続けて下さい」
冷や汗が流れた。
自分の身体なのに、自分のものではないような感覚。
穏やかで、狂気じみた──。
今のは何だ。私は、私は神影 露李だ。
自分に言い聞かせるように唱える。
「えー」
文月が反論するように口を開いた。
「何か問題がありましたか、文月」
「未琴様が風花姫のときはこんなこと無かったじゃないですかー」
未琴がぎゅっと唇を結ぶ。
「確かに、露李はまだ覚醒もしてない。ちょっと考えにくいかもな」
結も頷いた。
「そうですよね、今まで力の兆しも無かったし…」
露李も首を傾げた。
「なぁ露李、何か見えたりしねぇのか?感じたりとか」
「ううん、無いよ。式神と負の呪いを感じたりはできるけど」
「感じるって言えばなぁ」
「理津、未琴様の御前だぞ」
「分かってんだよ、んなことは。違ぇよ、この前露李が脱走したときのこと覚えてるか?」
理津が頬をヒクヒクひきつらせながら訊ねた。
よほど心外だったらしい。
「露李先輩、結界を破ってましたね」
静が納得したように相槌を打つ。
「てことは、露李ちゃんにも力があるってことは間違いないね」
全員が頷いた所で、ずっと六人を見守っていた未琴が口を開いた。