クロ * Plan of betrayal * Ⅲ



俺は確かに大体は"思い出した"けど、琥珀みたいにもう一度忘れたいとは思わない。



向日葵「…だから、陽向が思い出さない為に、俺はあいつの兄妹だとは言ってない。」



瞬也「なんでだよ?今回は別に思い出したとしても関係ないだろ??」



事故で記憶喪失になったんだから、別に辛い思いってわけでもないじゃん。



向日葵「…馬鹿か?
もし、記憶が戻ったとしたら高確率でその前の記憶まで戻る可能性があるんだぞ

もし、それでまた琥珀みたいになくなったらどうする。
琥珀の時は陽向がその場にいなかったからいいが、今回はどうだ?

陽向の記憶が戻るとき、琥珀が近くにいたら?
あいつの記憶も戻る可能性だって出てくるんだ。」



あ…そっか。



そうだよね、辛い記憶も戻る可能性があるんだ



それをきっかけに2人して戻る可能性もあるのか。



向日葵「………俺はもう、あいつらのあんな姿は見たくない。」



…今日は向日葵の色んな顔を見ている気がする



今だって、陽向と琥珀のことを自分の事のように考えて、顔を歪めている。



涙は流れていないが、俺には泣いているようにしか見えない



向日葵「…あいつが思い出さない為にも、あいつには本名の方しか教えていない。だから、間違っても陸と呼ぶなよ

あぁ、そうだ。
お前ら名前をいうときは名前だけにしろよ」



本名しか、教えてないのは偽名のことで色々と説明をしなくてはならないし、思い出す可能性があるからかな。



それにしても、



神楽「どうして名前だけ?
名字を言うなってことだよね??」


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