クロ * Plan of betrayal * Ⅲ
宮本凪 side
正直、声が被った時は驚いた
…でも、俺がそうなら神楽もありえない話ではない。
向日葵「…どっちから?」
聞いてくれるらしい。
滅多に俺が何かをいうことがないからか、下っ端も幹部も先代も全員俺らの話に興味津々だ。
神楽「凪から話す?」
コテンッと首を傾げ、俺を見る
凪「…あぁ。」
どっちが話してもどうせ同じだろ
凪「……昨日、記憶の夢を見た」
「「「「!!」」」」
記憶の夢、
前に神楽たちの過去のついでに話した、俺の本当の家族の記憶。
伊織「…思い出した、ってことか?」
凪「……一部だけな。」
神楽「…一部?どの部分のこと??」
凪「兄貴と弟の名前、俺の本名。」
俺が見た夢は唯一覚えていた火事の夢じゃなく、普通の日常生活だった。
普通、というのは一般的には普通じゃないだろう。
でも、俺の中では普通の日常生活だった
向日葵「…神楽は?」
…やっぱり向日葵は知っていたのか
昔、会ったことでもあったか?
神楽「…俺も同じ。
昨日、夢を見て兄ちゃんと兄貴の名前、本当の名字も思い出した」