クロ * Plan of betrayal * Ⅲ
直樹「…やっぱりな。
お前な、痛かったらちゃんと言え。
痛み止め、打つからな」
既に持ってきたのか、白衣のポケットから点滴がてできた
陽向「…わかってたの?」
既に持ってるってことは、俺が痛がってるのがわかってたってこと。
俺が起きたとき、一回しか来てないのによくわかったよね。
直樹「…いや、向日葵からメールで聞いてな。」
…向日葵から?
陽向「向日葵が気づいてたってこと?」
直樹「…ああ。
んじゃ、また夜に来るから」
点滴をつけ終わり、俺の頭を優しく撫でてから病室を出ていった。
翼「…さっきの人は?」
暫く重い沈黙が続いたが、ずっと黙っていた翼は、直樹が付け替えた点滴を見つめる。
陽向「……直樹。
俺の担当医ではないけど、向日葵と知り合いみたいで俺の事も知ってるみたい。だからたまに様子見に来る」
直接言われたこと、見て感じたことをそのまま口にする
翼「ふーん。そうなんだ」
それ以上のことは何も言わなかった。
…それからは、先ほどの話題には一切触れず、琥珀たちが戻ってからも面会終了時間までずっと雑談していた