クロ * Plan of betrayal * Ⅲ
小学生の頃、数回だが父親に連れられて組に顔を出した事があり、一応長男の為若頭という意味の"若"と組員の人達に言われるようになっていた。
『…若、落ち着いて聞いてください
組長が怪我をされて、今病院に居ます。
容態はそれほど悪くありませんが、検査の為1週間ほど入院することになりました。
なので、服などを持ってきて貰えないでしょうか。
オレたちは組長の私室に入ることは出来ないので、、』
元々組長をやってる以上、怪我することは多々あったが、入院することは滅多になかった。
ってゆーか、この時が初めてだった。
だからか、この時俺は結構戸惑ってたんだ。
「……」
『…若?大丈夫ですか??』
「…ぁ、大丈夫です。
病院を教えて貰えますか?すぐに持っていきます」
その後、病院を教えてもらってから電話を切った。
ガチャッ
それと同時に玄関があいて、青が帰ってきた。
「あ、ただいま。」
「…あ、あぁ。」
まだ信じられなくて無意識に声が震えた
「……どうしたの?なんかあった??
…電話、誰からだったの?」
俺の様子がおかしいのがわかったのか、荷物を置いて俺に近づいて来た
「……父さんが怪我して入院だって。」
「…え、?入院??」
「そう。今、組員の人から電話があって着替え持ってきてくれって。」