クロ * Plan of betrayal * Ⅲ
答えが出そうなところで、前の方から俺を呼ぶ声が聞こえた。
琥珀「陽向?」
前の方から聞こえた声は何年も聞き続けている声ですぐにわかった。
いつの間にか俯いていた顔をあげ、前方に陽向を見つけた
琥珀「どうした?」
俺がそう、声をかけると駆け寄ってくる
陽向「どうした?じゃないだろ。
部屋の前まで行ったら、琥珀がいないことに気づいて、戻ってきたんだよ!!」
ああ、そういえば陽向とは同室だったな。
ここは2人で一部屋に泊まるシステムになってるらしく、俺は陽向と同室だ
確か、凪と神楽、伊織と紫月で、彼方は総長だから1人部屋だ。
去年は、凪と伊織、神楽と紫月、彼方、という感じで分かれていたらしい。
普通なら双子である伊織と神楽が同じだったんだが、2人は当時仲が悪く、止む終えず変えたらしい
今年は、仲は悪くないが、本当の兄弟である凪と神楽の方がいいだろう。ということでこういう部屋割りとなった。
琥珀「…あぁ、悪い。
ぼーっとしてて、気がついたらお前らがいなくなってたから」
驚きながらもそう答えたが、周りを見てみたら、俺はエレベーターで部屋の階まで上がってすぐのところで止まっていたらしい。
考えをしていて、無意識に足を止めていた
陽向「もう!早く行くよ!!
先代たちが俺に自己紹介してくれるんだってさ!
2人、琥珀も知らない人がいるから、琥珀も行かなきゃなんだよ!!」