クロ * Plan of betrayal * Ⅲ
紫月「…同じだろ。」
知華「違う!!」
紫月「…同じだ。俺はいつになっても、何をしても'あいつ'からは逃げられない
'あいつ'が死んでからもずっとな。」
…死んだ瞳をしてる
さっきまであった瞳の光が消えて真っ黒だ。
知華「…お兄ちゃんにとって私は何?」
紫月「……他人。
もう何の繋がりもない赤の他人だよ」
知華「私はね、私にとってお兄ちゃんは、戸籍も血も繋がってなくても私にとってはお兄ちゃんなんだよ。
私にとってたった一人の兄妹。」
知華がそう言うと少しの間沈黙となった
俯いていた紫月は少し顔を上げ、言葉を発した
紫月「……今日はもう帰ります。」
ペコリと一礼だけし、一度も振り返らず紫月は走っていった。
知華の方はしゃがみ込んで泣いている
…どうすればいいんだ?
そう考えているのは俺だけじゃないらしく、彼方たちも雷たちもオロオロとしている。
唯一動揺していないのは空だけだ
そんな空はしゃがみ込んでいる知華に声を掛ける
空「知華。」
え…?
俺らがびっくりしていると知華が顔を上げた
知華「時雨さん!!」
は!?
海「空!もしかして、知り合いなのか?」
知華「え?空??」
つーか、時雨(シグレ)ってハッカーの時の…
ってことはまさか…
雷「…よくわかんねぇけど、とりあえず場所移動するぞ。」
空「…そうだな。」
頭が混乱していた俺らに雷はそういい、空がそれに賛成した為、俺らは道路から青星のトレーニング用の家へ移動した。