クロ * Plan of betrayal * Ⅲ
それでも俺には家しか居場所がなかった。
道具と使われたとしても、家にいるしかなかった
だから知華が来た時、やっと必要とされると思った
知華の兄として家に入れる。
今まで出来なかった女と違って母親なら家事もやってくれると思った
普通に俺を子供と見てくれる。そう思ったのに。
…結局は最悪だった
あいつは母親のそんな暴力は見て見ぬ振りをした
だから、あの家で、生きてて初めて俺を兄として必要としてくれた知華だけは守ろうと誓った。
紫月「…お母様にお話があります」
母「…なに」
紫月「俺が学校に行ってる間、知華に暴力を振るわないでください。
知華に傷をつけないでください。
知華の分も俺が受けます。だからっ!」
母「別にいいわよ」
紫月「本当ですか!?」
母「ただし、あんたが帰ってきたらあいつにもやる。
あんたがいない間は何もしない。
それでいいでしょ」
紫月「…わかりました。絶対に守ってくださいね」
母「えぇ。」
そうして俺は条件を付けました。」
知華「じゃあ、私がお兄ちゃんが帰った直後から殴られたりしたのは…」
紫月「…俺が条件を出したから、だろうな。
けど、俺が8歳の時の夜に母親とあいつの話を聞いた
母「…もう飽きたわ」
父「そうか。なら来週、俺が届を取ってこよう」
母「そうして頂戴。じゃ、私はもう寝るわ」
父「そうか。」
…この会話はすぐに離婚のことだとわかった
今までも何度も同じようなことを聞いたからだ。