クロ * Plan of betrayal * Ⅲ
まず目に入ったのは、白。
何処を見渡しても白だった
…病院?
何故か痛む身体を無理矢理起こし、キョロキョロと何かを探すかのように辺りを見る
……俺は何を探してるんだ?
探すも何も、ここには何かの点滴と機械しかない。
…なんでここにいるんだろう
そう思っていると、この病室の扉があいた
無意識にそこへと目を向ける。
一番始めに入って来たのは、黒いパーカーのフードを被った長い黒髪に茶色い瞳の女の子。
…誰だろう。
よく分からず、女の子をじーっと見ていると、後ろから人が見えた。
4人の男でどう見ても女の子とは釣り合わない歳だ。
その内1人のくせっ毛のある茶髪の男は白衣を着ている
…医者だろうか。
……とりあえず、俺と同じくらいの女の子に聞いてみよう。
陽向「…どちら様?」
俺がそう言うと女の子の後ろの男たちは目を見開き驚いた。
問いかけた女の子は無表情で俺に近づいてくる
??「…自分の名前、わかる?」
返ってきたのは質問の答えではなかった。
だが、そう言われて考えてみると…
陽向「…わかんない。
俺、誰?君は知っているの??」
何故だか俺は自分が誰なのかがわからない
でも、この子なら知っている気がした。
??「君の名前は桃井陽向。
ひなたは、太陽の陽に向くって漢字。
今は16歳で高校1年生だ」