ねぇ、もう一度だけ。
彼はその日を境に変わった。




彼女の私の前で他の女の子とのデートの約束をし、手をつなぎ、腕を絡め、抱きしめる。




最初の頃は




『なにしてるの?!』




『愛翔君に触らないで!』




などと割り込んでいたが、止まることのない彼の浮気はエスカレートしていった。




見るつもりなんてなかったのに、見てしまった。




あれは、12月24日。




クリスマスイブ。




その日は放課後に愛翔君の家にお邪魔することになっていた。




そして当日の放課後。




私は『職員室に日誌を出しに行ってくるから、教室で待ってて』と言って教室を出た。











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