ユルコイ
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『お、早いな城崎』

「あ、久保くん。おはよう」




教室に入ってきたのは久保悠翔(くぼゆうと)。
入学式の挨拶をつとめ、学級委員の彼。

一学期の中間テストでは学年一位。

身長は高い方じゃないけど、イケメンで
優しい性格もあって、噂じゃ勉強と同じで
女子からの人気も学年一らしい。



つまり、
学級で何もかも平均な私には到底届かない
絡むことの無い人なんだ。




『こんなに早かったんだね、城崎って』

「早起き、だからかな。目が覚めるの」

『歳じゃねえか?そんな早く起きんの』



ははっ、と笑いながら私の前の席に腰を掛ける久保くん。
そこじゃないはずなのに、久保くんの席は。


「かも、しれないね。」


戸惑いながらも、笑って返す。
久保くんの笑顔が眩しくて思わず
私は目を細めた。




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