黒と白なんて断然黒に決まってるでしょ？

少女はゆっくりと目を開ける

あぁ、懐かしい

久しぶりに見たなー

無表情で何もない空を見つめる

その瞳は酷く冷たくて、黒い

「また？」

離れた所にある扉から一人の少女が入ってきた

その少女は、床に寝そべっている少女と変わらない年頃だろう

呆れたように笑い、少女へ近づく

「ここ、好き」

空を見つめたまま、少女は単語で話す

「そう、クロは何時もそう言うわね……
まぁでも、分からないことも無いけど」

クロの横に少女は寝そべる

すると、クロが口を開いた

「何」

クロにとっては疑問形で聞いているつもりだが、棒読みを通り越した棒読み

クロを知らない人が聞いたのなら、いろんな誤解を生みそうだ

「マスターから直々のお呼びよ」

少女が要件を述べれば沈黙が満ちる

「……………………………やだ」

「ダメ」

表情一つ変えなかったが考えた結果なのか、悪い予感がしたのか、否定の言葉を出した

でもそれを少女が許すはずもない

そく却下されてしまった

クロは仕方ない、と溜息をついて了解する

「シロ、危ない」

、そう……見出したのね

「たくさん頑張らなくちゃじゃん！」

シロの横にクロの姿は無い

一人だけになったシロは楽しそうに笑った