黒と白なんて断然黒に決まってるでしょ?
「……任務」

クロはとある一室に来ていた

机の向こう側に座る男と、目線を交えて話しかける。

「そうだ」

どうやら、彼がシロの言っていたボスらしい

クロは、先ほどと変わらない言葉使いだが、背筋は綺麗に伸びていた

「立て続けに申し訳ないと思っている。だが、お前以外に任せられない任務なのでな」

申し訳ないと顔にシワを寄せて謝るボスを、しばらく見つめ、言葉を発する

「気にして、ない。……なに?」

その声を聞いても、表情を見ても、なにも思わない

だって、知ってるよ


それは私たちを飼い慣らすためのエゴよね?

重要な任務だと、君だけだ、なんて甘い言葉をみんなに言って回っては信じさせるんでしょう

優しく、心配したふりをして依存させる

そうやって、、みんな丸め込んだんだね

大人しくなった子から順番に刻印を刻んでいくんでしょう?

脆くなったら殺すんでしょう?

使えなかったらお仕置きするんでしょう?

無理やり避妊させて玩具にするんでしょう?

ときには仲間を増やすために産ませるんだよね?

何もしていない、純粋な、自分らのために尽くしてきてくれた子たちを、哀れむような冷たい目でみるんでしょう?

汚い、汚くて、愚か

あなた達こそ、私から見れば哀れそのもの

自分を権力者だと勘違いして、思い通りに進まないなら実力行使、名誉を汚すものがいるのなら殺を持って消してしまう。





「可哀想な大人たち、後でどうなっても知らない、、、お前らみたいな汚物に落ちるわけがないじゃない?」

暗い廊下に響くのはクロの嘲り笑う小さな声

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