たった一つの約束さえない恋



彼とは小学校からの知り合い。


地元の小学校、中学校に進み、どこかですれ違えば会話する、そんな関係だった。


友達より以下な存在。


その頃は私も別の人が好きだった。


彼にも好きな女の子がいた。


もちろん、私もよく知っている子。



綺麗に伸ばされた、漆黒を窺わせるような艶のある髪。

肌は透き通るように白くて、対照的に頬や唇は鮮やかな赤を思わせる、そんな色。

様々な色が感じられる、その女の子から漂う雰囲気もどこか色気を感じるものがあった。


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