たった一つの約束さえない恋




『そっか。

 プロポーズ、絶対に上手くいく。

 早く、あの子にプロポーズしてきなよ』



私の言葉に彼は微笑み、

彼の笑みに私も微笑む。





『じゃ、俺、行くよ』



『うん、ありがとうね、本当に』




彼は行く、彼の愛しているあの子の元へ。




でも、彼は一度、振り向く。




『お前さ、本当はいい女なんだからさ。

 今度は俺なんかより、もっといい男を見つけろよ、な?』




『そうする!

 私の声が聞きたいって、私に会いたいって、私に本気の好きをぶつけてきてくれるような、そんないい男を見つけるよ!』




まだ、あんたよりいい男と出会えるかなんて思えないけど。



それでも私は待ちたい。



いつか、

私の声が聞きたい、と。

私に会いたい、と。

私に本気の好きをぶつけてきてくれる、そんな人といつか必ず出会うことを。




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