ご主人様のお膝元!?
次の日から私は、
唯一の身内であるおばさんの家で暮らすことになった。
おばさんはとても優しい人で、
気がきいて女の人らしくて、
まるで、死んだ母そのものだった。


「陽菜ちゃん、貴方のお部屋はここよ。」

ガチャッ

「・・ひろーい!って、こんなに綺麗で広いお部屋、本当に使っていいんですか!?」
「もちろんよ。好きに使ってくださいな♪」
「あっ、ありがとうございますっ!!」
「ふふ。それじゃ、下でアップルパイ切っておくから、片付け終わったら降りてきてね。」
「は、はいっ!」


・・・

本当に、私みたいな奴が
こんな大きくて綺麗な家で
ほのぼのと幸せに暮らしてていいのだろうか。

天国のお母さんとお父さんは
許してくれるだろうか。

それが気がかりでならなかった。


「よしっ、片付けしゅーりょうっ!」

バタバタバタバタ

「おばさんっ!片付け終わりましたーっ!」

「はーい。それじゃ、お茶しましょ?」

「はいっ!」


ごくごくごく
むしゃむしゃ

「・・!こ、このアップルパイすごいおいしい!」
「そう?実はそれ、手作りなの。だから、すごい不安だったんだけど;」
「ぇえ!?て、手作り!?てっきりお店のものかと..」
「ふふ。褒め方がうまいのね。」
「そ、そんな!本心ですよ!」
「そう。陽菜ちゃん、おもしろい♪」
「なっ!お、おばさん、Sですねー;」
「あら?ばれちゃった?(笑)」
「ぶー♪」
「・・あ、そうだ、陽菜ちゃん、ちょっと待ってて。」
「は、はい・・?」


何やらおばさんは
必死に何かを探しているご様子で、
ゴソゴソと籠の中をあさくっている。


「あっ!あったぁ!」
「?」
「あ、ごめんね陽菜ちゃん;ちょっと、これ見て?」


それはすごく(無駄に)キラキラ輝く
今までに見た事のないようなチラシで、
大々的に、

―アルバイト募集 月給4000円―

と、書いてあった。

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