本当の答え
『香奈…』
 どうしよう。
 嘘だ。
『香奈!!ねぇ…何が起きてると思う?』 
『へあ!?友花…』
『香奈、香奈は何が起きてると思うの?』
 友花は、答えを求めるように、私の目をまっすぐと見つめていた。
『分からない…でも、外は…え?』
 私は、外を見て唖然とした。
 私の言葉に続いてか、皆して外を眺め始めた。
 そこにあった景色は、さっきまでの秋晴の空何てものはどこにもなくて、ただただ黒い闇だけが見えていた。
『嘘…でしょう?』
『もういや…』
『なにこれ』
 次々と叫び声が上がった。
 そんなことしても、状況は何一つとして変わることはないのに。みっ皆…落ち着いて…』
『落ち着いてられるか!』
 後ろから来た低めの少年の声に、私は慌てて振り返った。
『和樹』
『落ち着いていられる訳がない。こんな状況なんだ、まとめようとしたって無理に決まってる。
 返って渡瀬が飛び火を喰らうだけだ。火傷したくないだろ?』 
< 7 / 14 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop