アタシはイレモノ
☆☆☆

事情聴取となると警察署へ行くのかと思いきや、そこまで大げさなものではなかったようで、あたしたちは家のリビングへと移動してきていた。


「ケンジ君は、どうして亡くなったんですか？」


簡単に昨日どこで何をして遊んでいたのかを説明した後、あたしはそう聞いた。


警察官2人は少し眉間にシワを寄せて、そして手帳を閉じてあたしをみた。


「実は、動物に襲われた可能性が高いんです」


意外な言葉にあたしは「え？」と、聞き返していた。


「この辺で野生動物は珍しいから、動物園や飼っていた動物が逃げ出した可能性があります。


でも、動物園からの報告は今のところない。そうなると、可能性は飼っていた狂暴な動物に襲われたと言う線が一番有力なんです」


その瞬間、あたしはまた夢の中で噛み千切られるケンジ君の姿を思い出してしまった。


あの夢は、実際に起こる出来事を察知した予知夢だったのだろうか？


そんな思いが胸をよぎった。
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