アタシはイレモノ
「呼んでるから、行ってくるね」
亜耶はそう言い、立ち上がる。
時間がないからと断ることだってできるのに、本当に亜耶は優しい子だ。
あたしが亜耶の後ろ姿を見送っていたら、川上君が不安そうな表情でそれを見ていることに気が付いた。
川上君もそんな顔をするのだという新鮮さと、その相手がやはり亜耶だったというショックとが入り混じる。
あたしは席を立ち、川上君の席へと向かった。
あと少しで休憩時間が終わるから、今はファンの姿はない。
あたしが近づくと、川上君は視線をこちらへ移動させた。
「もしも、亜耶が誰かと付き合い始めたらどうする?」
少し意地悪な質問を投げかける。
途端に川上君は泣きそうな表情になり、うつむいてしまった。
すごくわかりやすい反応。
それなのに「そんなことはあり得ないよ」と、川上君は言い切ったのだ。
泣きそうになった表情もすぐに自信に満ちた顔に変わっている。
その態度にあたしは一瞬たじろいた。
亜耶はそう言い、立ち上がる。
時間がないからと断ることだってできるのに、本当に亜耶は優しい子だ。
あたしが亜耶の後ろ姿を見送っていたら、川上君が不安そうな表情でそれを見ていることに気が付いた。
川上君もそんな顔をするのだという新鮮さと、その相手がやはり亜耶だったというショックとが入り混じる。
あたしは席を立ち、川上君の席へと向かった。
あと少しで休憩時間が終わるから、今はファンの姿はない。
あたしが近づくと、川上君は視線をこちらへ移動させた。
「もしも、亜耶が誰かと付き合い始めたらどうする?」
少し意地悪な質問を投げかける。
途端に川上君は泣きそうな表情になり、うつむいてしまった。
すごくわかりやすい反応。
それなのに「そんなことはあり得ないよ」と、川上君は言い切ったのだ。
泣きそうになった表情もすぐに自信に満ちた顔に変わっている。
その態度にあたしは一瞬たじろいた。