アタシはイレモノ
「ご両親も大変なんじゃない?」


「そうだねぇ……」


亜耶の声は急に小さくなり、うつむいてしまった。


なにかまずい事を聞いてしまったんだろうか。


今まで亜耶の家族について踏み込んだ質問なんてしてこなかったから、地雷を踏んでしまったのかもしれない。


「ご、ごめんね」


亜耶はまだ何も言っていないのに、あたしは慌てて謝ってしまった。


だって、亜耶の表情を見ていると悪い事をしてしまった気分になる。


「ううん、大丈夫」


亜耶はパッと笑顔になり、そう言った。


やっぱり聞かない方がいいみたいだ。


あたしはそう思い、話題を変えたのだった。
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