アタシはイレモノ
十字路に差し掛かり、あたしと亜耶は立ち止まった。
ここがあたしたちの分かれ道だ。
「じゃ、また明日ね亜耶」
「うん。気を付けて帰ってね」
そう言い手をふる亜耶の後ろから、何度か校内で見た事のある上級生が声をかけた。
眼鏡をかけていて真面目な先輩だけれど、今は顔を真っ赤にしてうつむいている。
帰ろうとしていたあたしはなんとなく立ち止まり、その光景を見る。
先輩も亜耶の事が好きなんだ。
見ていればすぐにわかる。
亜耶が男の子に呼び出されるのは日常茶飯事で、告白されている光景も何度も見て来た。
モゴモゴと口ごもりながら「ちょっと来て欲しい」と言っている先輩に亜耶は快く頷く。
亜耶は人の気持ちを無下にしない。
だから、断るとわかっている告白もちゃんと話を聞くのだ。
あたしは時折それが心配になる。
呼び出されて行った先に複数の男が待ち構えていたらどうするのか。
亜耶の可愛さなら、十分にあり得る危険だと思っていた。
ここがあたしたちの分かれ道だ。
「じゃ、また明日ね亜耶」
「うん。気を付けて帰ってね」
そう言い手をふる亜耶の後ろから、何度か校内で見た事のある上級生が声をかけた。
眼鏡をかけていて真面目な先輩だけれど、今は顔を真っ赤にしてうつむいている。
帰ろうとしていたあたしはなんとなく立ち止まり、その光景を見る。
先輩も亜耶の事が好きなんだ。
見ていればすぐにわかる。
亜耶が男の子に呼び出されるのは日常茶飯事で、告白されている光景も何度も見て来た。
モゴモゴと口ごもりながら「ちょっと来て欲しい」と言っている先輩に亜耶は快く頷く。
亜耶は人の気持ちを無下にしない。
だから、断るとわかっている告白もちゃんと話を聞くのだ。
あたしは時折それが心配になる。
呼び出されて行った先に複数の男が待ち構えていたらどうするのか。
亜耶の可愛さなら、十分にあり得る危険だと思っていた。