アタシはイレモノ
3人で教室に入ると、栞理が真っ先にあたしに声をかけてきた。


「おはよう菜月。少し話があるんだけど」


「話……?」


まだカバンを机に置いてもいないのに、そんなに慌ててどうしたんだろう。


あたしは怪訝そうな顔をして栞理を見た。


すると栞理はスッとあたしの耳元に顔御近づけてきた。


「亜耶に関する噂があるの」


「亜耶の噂……?」


なぜだか心臓がドクンッと大きく打った。


嫌な予感と好奇心で背中にジワリと汗をかく。


「……わかった」


栞理の言う事をすべて鵜呑みにしてはいけない。


それを自分に言い聞かせて、あたしはカバンを机に置き栞理と一緒に教室を出たのだった。
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