アタシはイレモノ
☆☆☆

マンションの一室はまるで高級ホテルのような内装で、あたしの目はチカチカした。


広いリビングダイニング。


白い大きなソファに大きな壁掛けテレビ。


家具の1つ1つも高級感を感じさせるものばかりがそろっている。


丸尾先輩の家がこれほどお金持ちだなんて、知らなかった。


居心地が悪いあたしの足元に、フワフワの長い毛をした猫がよってきた。


栞理が言っていた猫だ。


赤い首輪には『マム』と書かれていて、これがこの猫の名前だとわかった。


マムはあたしの足元の匂いを嗅ぎ、そして逃げ出した。


いつもリリの散歩をしているから犬の匂いが染みついているのかもしれない。
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