アタシはイレモノ
翌日。


亜耶に内緒で亜耶の事を嗅ぎまわっているのは、正直後ろめたかった。


自然にふるまおうとしても、どうして亜耶から目をそらせてしまう。


それでもなんとか亜耶に怪しまれずに済んだのは、いつものように川上君が声をかけてきてくれたからだった。


彼が近くにいるといまだに緊張してドキドキしてしまうけれど、それでも今は一緒にいてくれた方が自然でいられた。


「菜月、最近メッセージくれないね」


不意にそう言われて、あたしは咄嗟に言葉が出なかった。


確かにそうだ。


ここ最近川上君のことや亜耶の事を考えていて、メッセージを送る事を忘れている。


それ所か、スマホを見る時間も随分と少なくなっている。


「ちょ……ちょっと、勉強が忙しくて」


しどろもどりになりながらも、あたしはそう言った。


「勉強が?」


亜耶が首を傾げてそう聞いてくる。
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