アタシはイレモノ

あの子を見かけた日だ。


林先輩が亜耶に告白をしたのは。


そして、丸尾先輩に告白をされてから戻ってきた亜耶の様子を思い出していた。


疲れ切ってうつろな目をした亜耶。


首元にはキラキラと光る液が垂れていた。


草むらの少女と、教室で見た亜耶の姿が一致する。


いや待って。


亜耶には兄妹が沢山いると言っていた。


草むらで見た少女はもしかしたら妹なんじゃないか？


その考えは一瞬にしてかき消された。


同じ学校にハーフの子は見かけたことがない。


草むらの少女は同じ高校の制服を着ていた……。


だとすれば、亜耶が嘘をついていることになる。


草むらの少女はやっぱり亜耶なんだ。


林先輩に告白をされた後、あそこにいたんだ。


それはなぜ……？


わからなくて、あたしは頭を強くふった。