アタシはイレモノ
☆☆☆
家の表札には増田と書かれていた。
聞いたことのない苗字だ。
栞理の知り合いの友人らしいけれど、面識はゼロに等しい。
栞理は玄関の前で一呼吸を置いてから、チャイムを押した。
さすがに、よく知らない相手の家を訪ねるというのは、栞理でも緊張している。
チャイムを押してしばらく待ってみると、玄関に出てくる足音と人影が見えた。
栞理はピンと背筋を伸ばし、少しだけ笑顔を浮かべた。
第一印象を大事にしているのだろう。
あたしも、できるだけ姿勢をよくして自然な笑顔を作った。
ここで追い返されてしまったら意味がない。
「どなたですか?」
奥から聞こえてきたのは女性の声だった。
まだ若い。
「初めまして。増田君の友達の岡田です」
「古川です」
栞理に続き、慌てて自己紹介をする。
家の表札には増田と書かれていた。
聞いたことのない苗字だ。
栞理の知り合いの友人らしいけれど、面識はゼロに等しい。
栞理は玄関の前で一呼吸を置いてから、チャイムを押した。
さすがに、よく知らない相手の家を訪ねるというのは、栞理でも緊張している。
チャイムを押してしばらく待ってみると、玄関に出てくる足音と人影が見えた。
栞理はピンと背筋を伸ばし、少しだけ笑顔を浮かべた。
第一印象を大事にしているのだろう。
あたしも、できるだけ姿勢をよくして自然な笑顔を作った。
ここで追い返されてしまったら意味がない。
「どなたですか?」
奥から聞こえてきたのは女性の声だった。
まだ若い。
「初めまして。増田君の友達の岡田です」
「古川です」
栞理に続き、慌てて自己紹介をする。