アタシはイレモノ
☆☆☆

亜耶が連れてこられた先は、学校裏にある林の中だった。


背の高い木に囲まれた丘は湿気が多く、足元も悪かった。


2人から一定の距離を保って歩きながら、周囲を見回す。


こんな場所に呼び出すなんて普通じゃない。


人目はないし薄暗いし、悲鳴を上げても誰にも聞こえないかもしれない。


栞理はなにか良くない事を企んでいる。


きっと、誰にでもそれは理解できただろう。


それでも、亜耶は栞理に何も言わず付いて行く。


こんな状況で黙って付いて行くなんて、栞理が言う通り暴力団が助けに来てくれるとわかっているからだろうか？


そう思った時、亜耶たちの前に2人の男が現れた。


木の陰に隠れていたのか、そこに人がいるなんて全く気が付かなかった。


亜耶も驚いたように小さく悲鳴を上げた。


2人の男はすごく大柄で、筋肉がしっかりと付いている。


短髪黒髪の男と、金髪男の2人は亜耶を見て「ヒューッ！」と声を上げた。
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