アタシはイレモノ
「ねぇ、ヘビって仲間を殺された時逆襲とかする?」


あたしの問いかけに川上君は驚いたような顔をした。


「さぁ……でも、この子たちならあり得るかもしれない」


そう言い、自分のお腹をさする。


「こんな狭い中ずっと一緒にいるんだ。仲間意識も強くなると思うけど」


「そっか……」


あたしは殺されたケンジ君の事を思い出していた。


ケンジ君を殺した動物はいまだに発見されていないらしい。


あの時ヘビを殺さなければ、ケンジ君はまだ生きていたかもしれないんだ。


そう思うと、少しだけ胸が痛んだ。


ケンジ君は本当にいい人だったから。


「栞理は、よくあの場所を使ってたのかな」


「学校裏の林?」


「うん。あそこに呼び出すなんて、普段から出入りしてないとできないよね? 林の中はなにがあるかわからなくて、危険だもん」
< 271 / 275 >

この作品をシェア

pagetop